2026/05/27 解決事例・コラム
相続人調査とは?戸籍謄本の集め方と手続きの流れをわかりやすく解説
相続人調査とは?戸籍謄本の集め方と手続きの流れをわかりやすく解説
相続人調査とは、遺産分割や名義変更などの相続手続きを進めるうえで、法定相続人が誰であるかを戸籍謄本等により確定する作業です。被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの全戸籍を取り寄せる必要があり、転籍の回数によっては数週間〜1か月程度かかることもあります。本コラムでは、戸籍の種類・取得方法・郵送申請の手順まで、相続に詳しい弁護士がわかりやすく解説します。
1 相続人調査とは何か
相続人調査とは、遺産分割協議や銀行口座・不動産などの名義変更手続きを適切に進めるために、法定相続人が誰であるかを戸籍謄本等で調べて確定する作業です。相続手続きのほぼすべてにおいて、この相続人調査が出発点となります。
具体的には、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸籍をすべて取り寄せ、そこから子・配偶者・兄弟姉妹など法定相続人の範囲を正確に確認します。婚姻・転籍・養子縁組など、人生のさまざまな出来事によって戸籍は分かれているため、複数の役所への申請が必要になることがほとんどです。
2 相続人調査が大変な理由
相続人調査は「戸籍を集めるだけ」と思われがちですが、実際にはいくつかの理由から手間と時間がかかります。
転籍や婚姻のたびに戸籍が分かれます。一般的に3〜5通、転籍が多い方は10通以上になることもあります。
本籍地ごとに管轄役所が異なります。遠方の場合は郵送対応となり、1往復で1〜2週間を要します。
昭和23年以前の戸籍は手書きの毛筆体で記載されており、専門家でも判読に苦労するケースがあります。
また、漏れが生じると遺産分割協議が無効になるリスクもあるため、正確さが求められます。なお、本籍地と住所地は別物であり、住所が変わっても本籍地が変わらないことも多い点に注意が必要です。
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3 戸籍の種類を正確に理解する
相続人調査では、「戸籍謄本」「除籍謄本」「改製原戸籍(げんこせき)」の3種類を取り寄せることになります。それぞれの意味を正しく把握しておかないと、必要な戸籍を見落とすことがあります。
現在有効な戸籍です。横書きコンピューター化されたもので、その戸籍に入っている全員(配偶者・子など)の身分関係が記載されています。相続調査では必ず「謄本」(全部記載)を取得します。
転籍・死亡・婚姻などにより戸籍内の全員がいなくなった戸籍です。記載された人が全員いなくなっても抹消されずに残り、過去の身分関係を証明します。
法改正により新しく作り直される前の、元となった戸籍です。「はらこせき」と呼ばれることもあります。コンピューター化の前後など、改製のたびに旧戸籍が原戸籍として残ります。
明治19年式・明治31年式・大正4年式・昭和23年式・コンピューター化現行戸籍の順に変遷しています。古いものほど手書き毛筆体で記載されており、読解に専門知識が必要です。
謄本と抄本の違い
4 戸籍謄本の取得方法
戸籍謄本類を取得するには、本籍地のある市区町村役場での手続きが必要です。窓口での直接申請のほか、遠方の場合は郵送による申請も可能です。
郵送で申請する場合の必要書類
郵送申請では以下の書類を本籍地の市区町村役場に送付します。書類に不備がなければ、約1週間で返送してもらえます。
各市区町村のホームページからダウンロードして記入します。
運転免許証・マイナンバーカードなど。代理人の場合は代理人の確認書類と委任状が必要です。
死亡の記載がある戸籍謄本(除籍)のコピーを同封します。
返送先の住所・氏名を記入し、切手を貼って同封します。
郵便局で購入。必要な金額は該当市町村のHP等でご確認ください。
代理人が取得する場合は、代理人本人の確認書類のコピーと委任状が別途必要です。また、戸籍謄本類を請求できるのは原則としてその戸籍の構成員や直系親族に限られています。市区町村によって取り扱いが異なる場合があるため、事前に各役所のホームページで確認しましょう。
役所がわからない場合
古い戸籍を遡っていると、現在は存在しない市区町村名が記載されていることがあります。市区町村合併や名称変更が原因です。このような場合は、戸籍に記載された市区町村名をインターネットで検索すると、現在の管轄役所を特定できます。
5 出生から死亡までの戸籍謄本を集める手順
出生から死亡までの連続した戸籍を漏れなく集めるには、死亡時の戸籍から出生時の戸籍へと遡っていく方法が最も効率的です。
死亡時の戸籍謄本を取得する
まず被相続人が亡くなった時点の本籍地の役所に申請します。死亡の記載がある戸籍(除籍謄本)を取得します。
「一つ前の本籍地」を確認する
取得した戸籍の中に、転籍前の本籍地が記載されている箇所を見つけます。戸籍の形式によって記載場所が異なり、手書きの場合は判読に苦労することもあります。
前の本籍地の戸籍謄本を取得する
確認した前の本籍地の役所に申請します。遠方の場合は郵送申請となり、1〜2週間の余裕が必要です。
出生時の戸籍にたどり着くまで繰り返す
手順2〜3を繰り返し、被相続人の親が筆頭者となっている(出生が記載されている)戸籍まで遡ります。これで出生から死亡までの戸籍が揃います。
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6 よくある質問(FAQ)
根気よく取り組めば専門家に頼らずとも自力で行うことができます。ただし、本籍地が複数にわたる場合は郵送対応による時間コストがかかること、古い手書き戸籍の判読が難しいこと、漏れがあると遺産分割協議に影響するリスクがあることから、不安がある場合は弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。
本籍地の市区町村役場に、①申請書(各市区町村HPよりダウンロード)、②本人確認書類の写し、③被相続人の死亡を確認できる戸籍、④切手を貼った返信用封筒、⑤手数料分の定額小為替(郵便局で購入)を送付します。書類に不備がなければ約1週間で返送されます。
被相続人が本籍地を移した回数によって必要な通数は異なります。転籍が少なければ3〜5通程度で済みますが、転籍が多い方や婚姻・養子縁組が複数回ある方は10通以上になることもあります。被相続人の出生まで遡り、すべての本籍地の戸籍を揃えることが必要です。
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