2025/11/21 解決事例・コラム
2025年 下請法が取適法に改正: 中小企業が押さえるべきポイント
2025年 下請法が取適法に改正:
中小企業が押さえるべきポイント
最終更新日:2025年11月20日本記事では、公正取引委員会が公表したリーフレット 「2026年1月から「下請法」は「取適法」へ!」 の内容を踏まえ、旧下請法が「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(通称:取適法)」へ改正されたポイントを、中小企業向けにわかりやすく整理しています。
下請法改正(取適法化)の背景
2025年、従来の「下請代金支払遅延等防止法(下請法)」は大幅改正され、正式名称が「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」となりました。
通称は「取適法(とりてきほう)」とされ、法規制の対象範囲拡大、違反時のリスク強化など、中小企業の取引環境に大きな影響を与える内容が含まれています。
本記事では、今回の改正で中小企業が必ず押さえておくべきポイントを、できるだけわかりやすく整理して解説します。
① 法律名・用語の変更
🔍 今回の改正で大きく変わったポイント
従来の「上下関係を想起させる用語」を改め、より対等な取引関係を前提とする方向性が明確になりました。
② 従業員基準の新設
改正により、従来の「資本金基準」に加えて「従業員基準」が設けられ、法律の適用範囲が大きく拡大しました。
経営者としては、自社と取引先の「資本金」と「従業員数」をセットで確認する必要があります。
👥 従業員基準の追加により何が変わる?
- 資本金では対象外だった企業も、従業員数で適用対象になるケースが増加
- 従業員数300人前後の企業は特に注意
- 委託事業者・中小受託事業者の双方が影響を受ける可能性
③ 特定運送委託の追加
今回の改正では、物流現場の実態を踏まえ、従来の4類型に加えて「特定運送委託」が対象に追加されました。
これにより、物流業界における取引環境の改善が強く求められるようになります。
🚚 特定運送委託が追加された理由
- 荷待ち・荷役作業の「実質無償労働」が問題化
- 物流事業者の交渉力が弱く不利益が生じやすい
- 不当な慣行を防ぎ、適正な取引を確保するため
④ 協議に応じない一方的な代金決定の禁止
中小受託事業者から価格協議の申し入れがあったにもかかわらず、
⚠️ 委託事業者が協議に応じない/説明をしない/一方的に代金を決める
といった行為が明確に禁止されました。
これは改正項目の中でも特に重要で、価格転嫁・適正価格の社会的機運の高まりを受けたものです。
⑤ 手形払い等の禁止
改正により、適用対象取引では手形払いが禁止されました。
資金繰りに与える影響は非常に大きく、委託事業者側の運用見直しが急務となります。
⏱️ 支払サイトは最大60日まで
従来は手形の支払期日(60日)と合わせて実質120日まで可能でしたが、
今回の改正で現金受領までの期間は原則60日以内に短縮されました。
⑥ 面的執行の強化・罰則
法改正では、行政による執行体制が強化されました。
企業名が公表されると、信用低下・取引停止など、経営への打撃は計り知れません。
📌 今回の強化ポイント
- 所管省庁が「調査」だけでなく「助言・指導」も可能に
- 中小受託事業者の申し出を理由とする不利益取扱いを禁止(報復防止)
- 是正済み行為でも、公正取引委員会が必要と認めれば勧告可能
- 違反企業名の公表、最高50万円の罰金
顧問弁護士のメリット
今回の改正は、単に法律名が変わっただけでなく、適用範囲の大幅拡大、禁止行為の追加、行政権限の強化など、企業の実務に直結する内容が多く含まれています。
顧問弁護士がサポートできること
① 改正内容の診断
自社と取引先が改正取適法の適用対象となるかをチェックします。
② 契約書・取引条件の見直し
支払サイト、書面交付、価格協議体制など、必要な修正点を洗い出します。
③ 社内ルールの整備
営業担当者の価格協議義務や取引ルールの明文化など、コンプライアンス強化を支援します。
④ トラブル対応
公正取引委員会からの問い合わせ対応、指導を受けた場合の改善助言などにも対応できます。
適正な取引環境を整えることは、中小企業の健全な経営に直結します。専門家の助言を受けつつ、法改正への対応を進めることが重要です。
ご相談のご案内
弊所では、法改正への対応をはじめとする労務問題全般に関するご相談を承っております。
「法改正にどう対応すればいいかわからない」「就業規則の見直しが必要か知りたい」という場合は、お気軽にお問い合わせください。

