2025/11/21 解決事例・コラム
2025年度の主な法改正: 中小企業経営への影響
2025年度の主な法改正:
中小企業経営への影響
最終更新日:2025年11月20日
2025年度の法改正をめぐる状況
少子高齢化・人手不足・働き方の多様化などを背景に、2025年度は中小企業の経営に大きく影響する法改正が相次ぎました。
雇用、労働安全、育児・介護、税制など、幅広い分野で改正が行われるため、経営者として把握しておくべき事項が多岐にわたります。
本記事では、2025年度の主要な法改正をわかりやすく整理し、経営者が押さえておくべきポイントを解説します。
2025年度 主な法改正一覧
まず、2025年度に施行される主な法改正を一覧表で確認しましょう。
詳細はリンク先をご確認ください。
| 法律名 | 施行日 | 主な改正内容 |
|---|---|---|
| 改正高年齢者雇用安定法 | 2025年4月1日 | 希望する従業員が65歳まで働き続けられる雇用機会の提供義務化 |
| 障害者雇用促進法 | 2025年4月1日 | 除外率を一律10ポイント引下げ、雇用義務が実質的に拡大 |
| 労働安全衛生規則(危険作業) | 2025年4月1日 | 危険作業箇所の安全措置厳格化、一人親方・下請企業等も対象 |
| 労働安全衛生規則(熱中症対策) | 2025年6月1日 | 熱中症重症化防止の体制整備義務化 |
| 育児・介護休業法 |
2025年4月1日 ※2025年10月1日(一部) |
子の看護休暇見直し、時短勤務の代替措置にテレワーク追加 |
| 次世代育成支援対策推進法 | 2025年4月1日 | 従業員100人超の企業に育休取得状況把握・数値目標策定を義務化 |
| 雇用保険法等 | 2025年4月1日 | 自己都合退職の給付制限期間短縮(2か月→1か月)、教育訓練休暇給付金創設 |
| 所得税法 | 2025年12月1日 | 基礎控除の見直し(課税最低ライン103万円→160万円) |
各法改正の詳細解説
① 改正高年齢者雇用安定法
希望する従業員が65歳まで働き続けられる雇用機会の提供が義務化されました。
📋 企業が提供すべき選択肢(いずれか1つ)
- 定年制の廃止
- 定年の65歳までの引上げ
- 希望者全員を対象とした継続雇用制度
💡 注意:65歳定年を義務付ける改正ではなく、「働く機会を提供すること」を義務づける改正です。
② 障害者雇用促進法
♿ 改正ポイント
障碍者の就業が難しいとされる一部の業種には除外率といって、障碍者の雇用義務を軽減される措置が設けられています。ただし、この除外率は廃止が決定されており、徐々に除外率を引き下げる形で廃止が進められています。
2025年は一律10%引下げられ、水運業などの除外率が10%以下であった業種は除外率が廃止、その他の除外率が設定されている業種も雇用義務が実質的に拡大しました。
③ 労働安全衛生規則の改正①(危険作業)
危険作業箇所の安全措置が厳格化され、企業が安全措置を講ずべき対象となる作業者の範囲が拡大されました。
⚠️ 対象範囲の拡大
- 自社従業員
- 一人親方
- 下請企業の従業員
- 資材搬入業者・警備員など
④ 労働安全衛生規則の改正②(熱中症対策)
🌡️ 熱中症重症化防止の体制整備が義務化しました
- 連絡体制の整備
- 冷却・搬送手順の策定と周知
- WBGT(暑さ指数)が一定基準を超える環境下での作業についての注意事項の周知
ℹ️ WBGT(暑さ指数)とは:気温・湿度・輻射熱を合わせた熱中症予防指標です。
⑤ 育児・介護休業法の改正
| 改正箇所 | 内容 |
|---|---|
| 📝 子の看護休暇 | 制度内容の拡充 |
| ⏰ 所定外労働の制限 | 対象範囲を拡大 |
| 💻 時短勤務の代替措置 | テレワークを追加 |
⑥ 次世代育成支援対策推進法の改正
👥 従業員100人超の企業に義務化
- 育児休業「取得状況」の把握
- 育児休業「数値目標」の策定
⑦ 雇用保険法等の改正
| 項目 | 改正内容 |
|---|---|
| ⏱️ 自己都合退職の給付制限期間 | 2か月 → 1か月 |
| 👴 高年齢雇用継続給付金 | 最大15% → 10% |
| 👶 育児休業給付率 | 引上げ |
| 🆕 出生後休業支援給付金 | 創設 |
| 🆕 育児時短就業給付金 | 創設 |
| 🆕 教育訓練休暇給付金 | 創設(2025年10月1日施行) |
⑧ 所得税の基礎控除の見直し
💰 課税最低ライン(年収の壁)
所得税は2025年分から、住民税は2026年度分から適用
現場での実務対応とは
よくある事例
- 自社が本当に対象になるのか判断が難しい
- 就業規則をどう変更すればいいのかわからない
- 従業員への説明をどう進めればいいのか
- 複数の法改正に同時に対応する余裕がない
📋 実務対応で必要になること(例)
- 就業規則・賃金規程の見直し
- 従業員への周知・説明
- 人事評価制度の調整
- 安全衛生管理体制の構築
- 育児・介護支援制度の整備
- 給与計算システムの変更
顧問弁護士に相談する価値
① 日常的な法律相談:就業規則のチェック、労務管理の見直し、従業員対応の法律判断など。
② 法改正への対応支援:最新情報の提供と、自社に必要な対策の助言。
③ 従業員への説明サポート:制度変更の伝え方を法的観点から助言。
④ 社内体制整備:規程整備・コンプライアンス教育の支援。
複雑化する法規制に対応しながら、本業に集中する環境づくりが重要です。
ご相談のご案内
弊所では、法改正への対応をはじめとする労務問題全般に関するご相談を承っております。
「法改正にどう対応すればいいかわからない」「就業規則の見直しが必要か知りたい」という場合は、お気軽にお問い合わせください。

