解決事例・コラム

2024/10/18 解決事例・コラム

初心者向け遺産相続手続きガイド:必要なステップから専門家のサポートまで徹底解説

遺産相続は、多くの方にとって人生で一度か二度しか経験しないものです。身近な方が亡くなった後、何をすべきか迷うことも多いでしょう。本記事では、遺産相続の手続きを順を追ってわかりやすく解説します。早めに基本的な知識を身につけておけば、いざという時にスムーズに対応できるようになります。

1. 最初の手続き(7日以内)

亡くなった方がいる場合、まずは市区町村役場に死亡の届け出を行う必要があります。医師から「死亡診断書」を受け取り、「死亡届」を提出しましょう。この手続きを完了すると、火葬許可証や年金停止の手続きが進められます。市区町村役場で火葬許可証の手配も忘れずに行ってください。

2. 世帯主や保険の手続き(14日以内)

もし亡くなった方が世帯主だった場合、新しい世帯主を役場に届け出る必要があります。また、国民年金や国民健康保険の受給を止めるため、市区町村役場年金事務所で手続きを行います。これらの手続きは速やかに進めましょう。

3. 相続方法の決定(3か月以内)

次に、遺産の相続方法を決める時期です。ここでは、「単純承認」「相続放棄」「限定承認」という3つの選択肢があります。

  • 単純承認:すべての財産を引き継ぎます。
  • 相続放棄:財産を一切受け取らない選択です。
  • 限定承認:プラスの財産の範囲内で借金を引き継ぐ方法です。

相続放棄限定承認を選択する場合は、家庭裁判所での手続きが必要ですので、期限内に進めることが重要です。

4. 準確定申告(4か月以内)

亡くなった方が個人事業主だった場合、亡くなった年の所得税を申告するために「準確定申告」を行います。申告は税務署で行うため、早めに確認しておきましょう。

5. 相続人や遺産の確定(相続税申告をする場合は10か月以内)

相続税の申告期限内に手続きを進めるため、早い段階で相続人の確定遺産の把握を行います。亡くなった方の戸籍謄本が必要となるので、準備を怠らないようにしましょう。遺産には、現金、預貯金、不動産、さらには借金も含まれるため、正確に調べることが大切です。

6. 遺産分割協議(相続税申告をする場合は10か月以内)

相続人全員で、遺産の配分について話し合いを行います。これを「遺産分割協議」と言い、全員が合意したら「遺産分割協議書」を作成します。この書類は、相続税の申告や遺産の名義変更、不動産手続きに必要な重要書類です。

7. 相続税の申告(10か月以内)

相続税の申告は、相続開始から10か月以内に行わなければなりません。遺産が一定額を超える場合に必要となるため、申告期限を守り、納税資金の準備を進めることが大切です。期限内に申告をしないと、減税の特例を受けられなくなるので注意しましょう。

8. 遺留分の請求(1年以内)

遺言により相続財産が法定相続人に渡らなかった場合、最低限の取り分である「遺留分」を請求することができます。相続開始から1年以内に請求しないと、権利を失う可能性があるため早めに対応しましょう。

専門家のサポートを受けましょう

遺産相続の手続きは、期限内に多くの手続きを進めなければならないため、非常に複雑です。専門知識があっても、実際に進める段階で混乱することが多いです。信頼できる弁護士や金融機関のサポートを受けることで、スムーズに手続きを進められます。

いざという時に備え、事前に準備を整えておくことが大切です。当事務所では、経験豊富な弁護士が各種専門家と連携し、遺産相続問題に対応します。ぜひご相談ください。

外部リンクのご紹介

・遺産分割調停の概要

https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_07_12/index.html

・遺産分割調停に関する必要書類の書式一覧

https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_07_12/index.html

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